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石ころコロコロ

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映画 マイライフ・アズ・ア・ドッグ

この作品を最初、観たのは25年も前のこと。
この映画を好きな人とは、友だちになれると思ったものでした。
ずっと心の片隅にあって、今もとても大切にしている映画です。
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舞台は1958年、スウェーデンの小さな海辺の町と山間の村。
12歳の少年イングマルは、人工衛生のような小さな
あずま屋の窓から、ひとり夜空を見上げ
その年の悲しい出来事を思い出しながら呟くのでした。

「よく考えれば僕は運がよかった。
人工衛星スプートニクに積まれて宇宙で死んだライカ犬のこと。
食べ物がなくなるまで、地球を5ヶ月回って餓死した・・・
僕はそれよりマシだった」
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イングマルは好きなのは、ママと犬のシッカン。
でもママは結核を煩っていて、子供たちを構うことが
できませんでした。
パパは南洋の海に行ったまま帰ってこない。
兄のエリクはイングマルを虐めてばかりいる。
イングマルは、小さな不幸をたくさん抱えていたのでした。

浜辺で戯けてママを笑わせているイングマル・・・
イングマルはママが元気だったころの情景を
何度も思い浮かべるのです。
ママに喜こんでもらいたい、笑わせたい・・・
ただそれだけなのに
イングマルのすることは、ことごとく裏目に出て
ママをますます怒らせ、困らせ
ママの病気も悪化していくのでした。
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そしてまた、ライカ犬のこと思い、胸を痛めるイングマル。
十分は食べ物も積まず犬を宇宙に送るなんて
人類の進歩のために、望んだわけでもないのに・・・
それより僕は幸せだと、自分に言い聞かせる小さな心が
たまらなく愛おしくなります。

ママの気が休まらないと、よくならないと
夏の間だけ、兄エリクは祖母のところへ。
イングマルは、ママの弟のグンネル叔父さんの
ところで暮らすことになるのでした。
シッカンは「犬の病院」が、預かってくれると。
その意味のわからないイングマル。
また会えると信じているイングマルに、涙が溢れます。

駅に出迎えてくれた、やさしいグンネル叔父さん夫妻。
ふたりに挟まれて車に乗るイングマル。
「少し暖かくなったわ、あなたが太陽を持ってきたのよ」
叔母さんの言葉がイングマルの心を溶かします。
着いたところは、大きなガラス工場のある小さな村。
温かい村人たちと、のどかな日々が待っていました。
個性溢れるユニークな村人たちの巻き起こすオカシな騒動。
ばかばかしくもあるけれど
人間っていいな、この村いいなと、思わせてくれるのでした。
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村の子供たちの中でもヒーロー的存在のサガは
イングマルの心に爽やかな印象を残すのでした。
サッカーもボクシングも強い少年のような美少女サガ。
ずっと女の子であることを隠していたのですが
胸が膨らみ始めたことをイングマルに告げるのです。
ちょっぴり大人になったイングマル。
ふたりの関係の初々しいこと。
友だちや温かい村人たちに囲まれて過ごす楽しい時間・・・
やはり気になるのはママとシッカンのことでした。
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秋になり久しぶりに町に戻ったエリクとイングマル。
犬の病院に預けられたままのシッカン。
ママは少し元気そうでしたが、病状は更に悪化。
入院してしまうのでした。
病室にひとりずつ呼ばれて、ママと最後の言葉を交わすひととき。
着ていたジャンバーを誉められて
嬉しそうなイングマルの頬に涙が・・・
イングマルはママに「クリスマスプレゼントは何がいい?」
イングマルのあどけなさが、また涙を誘うのでした。
「プレゼント代を協力して」というイングマルに
兄のエリクは言います。
「わからないのか?ママは死ぬんだ!」
ママのためにトースターを買いに行く、イングマルの姿が
なんとも切ないのです。
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ママが死んで、イングマルはまたグンネル叔父さんの家へ。
「シッカンを飼いたい」というイングマル。
言葉をにごすグンネル叔父さん。
しかし、サガはストレートに「あの犬は死んだ」と言うのです。
ショックを受けたイングマルは、叔父さんと建てた
庭のあずま屋に、立てこもるのでした。
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「ごめんよ。どうにも言えなかった」と真実を話す叔父さん。
大事なママとシッカンを失った悲しみ。
今まで、決して泣かなかったイングマル・・・
緊張の糸が切れたみたいに、激しく泣きじゃくるのでした。

大人も辛いけれど、子どもだって辛い。
ラッセ・ハルストレム監督は、どうしようもない重い現実を
子どもにも容赦なく突き付けるのでした。
「ギルバート・グレイプ」もそう。
それでも生きていかなければならない人生の悲しさ。
その中から、生きる強さや希望、そして、人生の歓びもまた
生まれて来るのだと教えてくれるのでした。

北欧の厳しい冬にも、やがて春が来て
またオカシな村人がオカシなことを仕出かして
みんなで心配したり、笑ったり。
ちょっぴりたくましくなったイングマルも
サガと一緒にその輪の中にいて・・・
イングマルはもう、ライカ犬と自分を比べたりは
しないでしょう。

それにしても
人類の進歩のために犠牲となった
動物たちのことを思うと本当に心が痛みますね。

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監督 : ラッセ・ハルストレム
原題 : Mitt Liv Som Hund
製作年/国 : 1985年 スウェーデン  
出演:イングマル (アントン・グランセリウス)
    サガ (メリンダ・キンナマン)
    ママ (アンキ・リデン)
    グンネル (トーマス・フォン・ブレムセン)
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by ishikoro-b | 2012-11-13 23:44 | 映画 | Comments(0)
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