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石ころコロコロ

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映画 ストックホルムでワルツを

ジャズに詳しくはないけれど、ビル・エヴァンスのピアノが好きです。
中でも「ワルツ・フォー・デビー」は超お気に入りの曲。
時折LPレコードのジャケットを出して眺めたりしますが
もう針を落とすことはないのかと思うと寂しい気持ちになります。
昔々、深夜のラジオ番組でビル・エヴァンスの特集がありました。
DJのナレーションをちゃんと聴いていればその時ちゃんと
理解出来たのですが「モニカのワルツ」と曲名を紹介されたのに
ラジオから流れたのは「ワルツ・フォー・デビー」
それも女性のボーカルで・・・
その魅惑的な歌声にウットリしたのを覚えています。
でもなぜ「ワルツ・フォー・デビー」が「モニカのワルツ」?
今のようにネットで調べることも出来ず
ずっと疑問に思ったまますっかり忘れてしまって幾星霜・・・

先日観たスウェーデン映画「ストックホルムでワルツを」で
その霧が晴れました。「モニカ」はスウェーデン生まれの
女性ジャズシンガー、モニカ・ゼタールンドのことでした。
映画は北欧でモダンジャズが大流行した1960年代
幾多の困難にもめげずモニカがジャズシンガーとして
頂点を極めるまでの半生を描きます。

ネタバレ注意!
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ストックホルムから遠く離れた田舎町。
両親と5歳の娘と暮らすシングルマザーのモニカの夢は
一流のジャズシンガーになることでした。
電話交換手として働きながら、何時間もバスに乗り
ストックホルムまで好きなジャズを歌いに出向く忙しい日々。
いつか田舎町を出て娘とふたりで暮らせる日が来ることを
願ってたモニカでしたが、娘のことは両親にまかせっきり。
厳格な父はそんなモニカに母親業に専念するように言い
モニカの夢をことごとく否定するのでした。
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ある日、ストックフォルムのライブに
アメリカの著名なジャズ評論家がやってきます。
モニカにニューヨークで、それもトミー・フラナガン・トリオの伴奏で
歌うチャンスが訪れるのでした。

せっかくのニューヨーク公演でしたが客の反応はさっぱりで
新聞にも実力不足と書かれる始末。
ニューヨークで出会った憧れのエラ・フィッツジェラルドからは
「誰かのマネじゃなく、自分の気持ちを歌ったら」と批判され
傷心のままモニカは帰国するのでした。
ニューヨークでの評判は故郷にも届いており、父との確執は
ますます深まっていきます。

落ち込むモニカでしたが、ジャズへの思いは募るばかり。
そんな時、モニカはバンド仲間の助言によりスウェーデン語で
ジャズを歌うことを思いつくのでした。
挫折を経てはじめてスウェーデン語で歌う「歩いて帰ろう」は鳥肌もの。
モニカの歌声は次第にスウェーデンの人々の心を魅了していきます。
レコードも売れ、スウェーデンの歌姫としてスターダムに
のし上がっていくモニカ。
私生活では映画監督ヴィルゴットと恋に落ち、豪邸も手に入れて
念願だった娘との3人生活が始まるのでした。
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そんな幸福の時も束の間・・・
さらに名声を高めるために挑んだコンテストでしたが結果は最下位。
モニカは、酒を呑み、睡眠薬を乱用するようになります。
母親失格、そしてヴィルゴットとの関係も破局してしまいます。
ついに倒れてしまったモニカの元に孫娘を引き取るべく
父が駆けつけるのでした。

母親失格、身勝手でまわりの人を振り回す困ったモニカ。
苦悩と孤独の中、自殺まで図るモニカでしたが一命を取り留め
もう一度ジャズシンガーの原点に戻ろうと決意するのでした。
そして尊敬し憧れてやまないジャズピアノの巨匠、ビル・エヴァンスに
デモテープを送って共演を申し込むのです。
夢を決して諦めなかったモニカに音楽の神様は微笑みます。
それはビル・エヴァンスからの国際電話でした。

ビル・エヴァンスと同じステージに立つ夢が叶ったモニカ。
ビル・エヴァンスのピアノが奏でる「ワルツ・フォー・デビー」
リリカルなピアノにモニカのチャーミングな歌声が重なります。
「ワルツ・フォー・デビー」が「モニカのワルツ」となった瞬間でした。
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夢を追い求めるがゆえに手放した大切なもの。
歌の力でふたたびそれらをたぐり寄せたモニカ。
最後の父の和解の言葉、娘との暮らし、そしてそして
ひとりの女性としての幸せも待っているのでした。

映画を彩るのは「テイク・ファイブ」や「歩いて帰ろう」など
どこかで聴いたことのあるジャズのスタンダードの数々・・・
思わずニンマリ嬉しくなります。
「ワルツ・フォー・デビー」はもう言葉にならないほど。
「歩いて帰ろう」はエンドクレジットにも使われていて
幸せな余韻に浸りながら映画館を後にできました。
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モニカ・ゼタールンドを検索したらとてもきれいな人でした。
モニカ役の歌手のエッグ・マクナソンもモニカに雰囲気がそっくりで
彼女の歌唱力もまた、映画の魅力となっています。
60年代の北欧ファッションやインテリアも素敵でした。
サントラ盤、Amazonポチッしようかな。

岡山シネマクレールで。

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監督 : ペール・フライ
脚本 : ペーター・ビッロ
原題 : Monica Z
製作年/国 : 2014年 スウェーデン
出演 : エッダ・マグナソン/モニカ・ゼタールンド
    シェル・ベリィクビスト/モニカの父
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by ishikoro-b | 2015-03-20 00:42 | 映画 | Comments(2)
Commented by margaret at 2015-03-20 15:47 x
私もこの曲好き!
今はどうしてもCDで聞いてしまうし、この曲の入ったCDを何枚も持っているのですが、、、、
実はまだLPが聞ける状態なのです。
時折、Mozartを聞いていますが、裏面に返すのが何ともレトロで楽しいです。
Commented by ishikoro-b at 2015-03-20 21:56
margaretさま。
ビル・エヴァンス、いいですよね。
「いつか王子様が」は私のテーマ曲でした。
現れたのは王子様ではありませんでしたが。(笑)
レコードプレイヤーがまだ現役とは、素敵ですね。レコードの音はCDと違いますよね。
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