ブログトップ

石ころコロコロ

ishikorog.exblog.jp

映画 博士と彼女のセオリー

車椅子の天才理論物理学者スティーヴン・ホーキング博士と
彼を支え続けた妻ジェーンの半生を描いたイギリス映画
「博士と彼女のセオリー」を観ました。
ふたりの普通の人生を通して描かれるラブストーリーは
決して特別なものでなく観るものの心に深く沁み渡っていく
感動の物語でした。

(ネタバレ注意。)
a0223379_1773947.jpg

ホーキング博士のことは(難解な理論は別にして)
NHK BSの「コズミック・フロント」で何度か見て知っていましたが
映画で描かれる等身大のホーキング博士はとても魅力的な人でした。
a0223379_1784992.jpg

何と言ってもホーキング博士役のエディ・レッドメインが素晴らしい。
まるでホーキング博士を演じるために生まれてきたような俳優です。
決して衰えない崇高な知性と、徐々に自由を奪われていく体を
エディ・レッドメインは見事に演じきりました。
「ダークエイジ・ロマン 大聖堂」や「レ・ミゼラブル」など
不思議な存在感を放つ人だなと思って見ていましたが
こんな難しい役が演じられる俳優に成長していたとは・・・
この作品で見事アカデミー賞主演男優賞を射止めたエディ・レッドメイン。
オスカー像をにぎりしめ受賞の喜びを体中で表現していたのが
とても印象的でした。
これはALSと闘っている人々のためのもの、そしてホーキング家のもの。
毎日ピカピカに磨き大切にします、とスピーチ。
客席の最愛の妻に向かって「同居人が一人増えたよ」なんて
最後を粋に締めくくったりして、心憎いばかりの素敵なシーンでした。
a0223379_1782898.jpg

1963年、英国。
ケンブリッジ大学大学院で理論物理を研究するスティーヴンは
ある日パーティで文学を学ぶ美しいジェーンと出会い
恋いに落ちます。誰にでもある輝かしい青春の日々・・・
ふたりも例外ではありませんでした。
a0223379_1793564.jpg

しかし、ある日スティーヴンの体に異変が起るのです。
医師の診断の結果、難病ALS(筋委縮性側索硬化症)で
余命2年と宣告されるのでした。
絶望するスティーヴンでしたが、脳だけはその病気の
範囲外であることも知るのでした。
ジェーンとの別れを決意するスティーヴン。
しかしジェーンは彼と共に病気と闘うことを選び
ふたりは結婚するのです。
a0223379_1791546.jpg

やがて子供にも恵まれるふたり。
幸せな結婚生活のように見えましたが
その間にもスティーヴンの病気はどんどん進行していくのでした。
体の不自由な夫の介護をしながら子育てをするジェーン。
そんな中にあってもジェ−ンは天才物理学者としての
彼の頭脳を信じ誠心誠意支え続けるのでした。
スティーヴンは、ジェーンの励ましを受けながら論文を執筆。
彼の理論は世界的に認められていくことになるのです。
a0223379_1781435.jpg

余命2年の宣告には予想外の奇跡が用意されていました。
それは願ってもないことでしたが、ジェーンにとって
自分ひとりですべてをこなすことに限界を感じていたのも事実でした。
気分転換にと勧められて入った教会の聖歌隊。
ジェーンと音楽監督ジョナサンとの出会いが夫婦の関係を
少しずつ変えていきます。
ホーキング家にピアノの教師として出入りするようになった
ジョナサンはスティーヴンの介護がいかに大変かを知ります。
そしてジェーンに介護の手伝いを申し出るのです。
それはジェーンにとってまたとない申し出でした。
若くて健康で心優しくて力持ちのジョナサン。
スティーヴンもジョナサンを受け入れるのでした。
惹かれ合うジェーンとジョナサン・・・
スティーヴンも気付いていたはずです。

家庭内に他の男性が入り込むことはスティーヴンにとって
辛い決断だったことでしょう。
それでもジェーンを愛していればこそ、ひとりの女性として
ジェーンを自由にしてあげたいと思う彼の気持ちが
ひしひしと伝わってきて胸が熱くなりました。

終盤で描かれる介護士のエレノアとスティーヴンの関係も
きっとジェーンがスティーヴンに思いを残さないための
選択だったにちがいありません。
みんな決して憎しみあったりしなかったのは
ホーキング博士の説く万物の法則が人生にも美しく
働いていたからでしょうか。

別れてもスティーヴンとジェーンの友情は続くのでした。
a0223379_179566.jpg

存命のしかも世界的に有名な物理学者の人生によくぞここまで
迫ったものです。決して美談のみに終始しない描き方が
ホーキング博士の豊かな人生をより際立たせているように感じました。
映画化に同意したホーキング博士とジェーンに感謝ですね。

映画のついでに、以前録画していたコズミック・フロントの
「ホーキング博士の宇宙のレシピ」を見返しました。
そこでホーキング博士は言います。
人は信じることを選べます、と。
物理学を信じるホーキング博士の結論は
宇宙を創造した神はいないということでした。
自然の法則に耳を傾けることは私たち自身の人生の意味を
見つめ直すきっかけを与えてくれます。
私たちの運命を決めるのは神ではないということ・・・
更に言えば天国も死後の世界もないってことです。
今ここにある一度っきりの人生だから素晴らしい。
それが人生のセオリーなのだと博士は教えてくれました。

それにしても神の領域に科学で挑む人ってどんな頭脳とセンスを
持ち合わせているのでしょう。
宇宙創成の謎を数式で表現しようとする理論物理学者たち。
それもシンプルかつエレガントな数式で・・・なんて言われたら
もう、目がお☆さまです。
宇宙は美しい秩序で構成されてるってことなんでしょうね。

岡山岡南シネマにて。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
監督 : ジェームズ・マーシュ
脚本 : アンソニー・マクカーテン
原題 : THE THEORY OF EVERYTHING
製作年/国 : 2014年 イギリス
出演 : エディ・レッドメイン/ホーキング博士
   フェリシティ・ジョーンズ/ジェーン
   チャーリー・コックス/ジョナサン
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

☆ ☆ ☆

ランキングの応援に駆けつけてくれた
ブログ「猫日和。キルト日和。」でおなじみのふーくん。
ふーくんバナーをクリックすると
きっとあなたにもいいことが・・・

にほんブログ村 写真ブログ フォトエッセイへ

応援ありがとうございます。
[PR]
by ishikoro-b | 2015-04-03 01:25 | 映画 | Comments(0)
<< 記号のトイレ 三沢厚彦 アニマルズ 2015... >>